短歌

犬の才能(を棄てる)

猫のよう月のような目に殺気宿って「李徴、さよなら」と犬

狼になれない犬のおれを罵ってくれ、お願い、這いつくばって

「おれたちはきっとたくさんいてそれのうちのひとり」「反吐が出ますね」

枝分かれする未来にて待つあんたの言うこと聞かない罰も受けない

犬である才能それになりたくないだなんて我儘 ばかだね 愛してるよ

かわいくはない好きでもない愛してないただ信じてる なんだよ 笑うな

裏切られ続けた犬がそれでもと手を舐めてくるそれに似ている

愛されている喰われてもいる今は愛してもいいそういう時間

蹲ることなど何も無い筈だ本当は脆い膝裏を撫で

飼ってない犬のまぼろし手足元憎いお前の首は目の前

愛からは遠く、距離を置いて放つ罵詈雑言の散りゆく未来

青空を映したひとみ抉り出し合ってそれから袖が触れてる

お前じゃないとうとい神に祈ってる似てるってこと違うってこと

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